好きな人が、自分と話すときに胸を張ったり、腕を広げて座ったりする。「自信を見せたいのかな」「私を意識している?」と気になることはありませんか。
姿勢が与える印象と、その人が実際に抱いている気持ちは別です。開いた姿勢と初対面の魅力を扱う研究を紹介しながら、自信や好意を決めつけない見方と、心地よく過ごすための会話を考えます。
「胸を張る」と「開いた姿勢」は同じではない
胸を張るという日常語には、背筋を伸ばす、肩を後ろに引く、上半身を大きく見せるなど、さまざまな動作が含まれます。研究で扱う姿勢の定義と、目の前の人に感じた印象をそのまま重ねないことが大切です。
例えば、楽に座り直しただけかもしれませんし、服を整えた動作だった可能性もあります。「堂々として見えた」は自分が受け取った印象として扱い、相手の性格や恋愛感情の確定とは分けておきましょう。
開いた姿勢と初対面の魅力を扱った研究
Vacharkulksemsukら(2016)は、スピードデーティングの観察と、デーティングアプリの写真を用いた実験などで、身体を広げた姿勢と恋愛対象としての選択を調べました。研究内では、縮こまった姿勢に比べ、開いて広がった姿勢が初期の魅力評価に有利になる結果が報告されています。
これは「胸を張った人は自信がある」「あなたが好きだから腕を広げた」という内面の判定ではありません。限られた出会いの場面の結果を、すべての年齢・文化・関係性に当てはめることもできません。初期の選択と、交際後の信頼や相性は別の評価です。
また、この研究の紹介から「大きく場所を取ればモテる」と結論づけないようにしましょう。相手や周囲の人の空間を狭める行動を勧めるものではありません。
好きな人が胸を張ったとき、何を見る?
直前の出来事を確認する
褒められた直後、写真を撮る前、長く座った後など、動作が出た状況は異なります。一つの姿勢から理由を選ぶより、実際に交わしている言葉を聞きましょう。
自分が話しやすいかを大切にする
堂々とした姿勢が好ましく見えることも、距離が近くて落ち着かなく感じることもあるでしょう。どちらの受け取り方も、「研究で魅力的とされるから」と変える必要はありません。自分にとっての話しやすさを基準にできます。
好意を知りたいなら、姿勢の変化を試さない
わざと褒めて胸を張るかを見る、距離を近づけて反応を測るなど、相手をテストする必要はありません。自分がまた会いたいなら、相手が断れる誘いで希望を聞けます。
「今日は話せて楽しかった。よかったら来週、またお茶しない?」
その返事は、その予定に対する希望です。承諾があっても、交際や接触への同意まで意味するわけではありません。
腕や荷物で座る場所が狭いときの声かけ
相手の姿勢が大きく、自分の席や通路が狭くなっているなら、心理を推測せず、必要なスペースを具体的に伝えられます。
「少し座る場所が狭くて。腕をこちら側だけ空けてもらえる?」
「荷物をあちらに置けると、二人とも座りやすそうだね」
「威張っている」「気が強い」と性格を責めず、何を変えると過ごしやすいかを話します。お願いを繰り返し無視される場合は、姿勢の見栄えより、希望への対応そのものを受け止めましょう。席を移る、会話を切り上げる選択もできます。
自分の姿勢を整えたいとき、無理に大きく見せなくてよい
初対面で緊張しても、「開いた姿勢を維持しなければ」と考え続ける必要はありません。痛みや窮屈さがなく、相手と自分の場所が保てる座り方を選べます。
- 座りにくければ、椅子や荷物の位置を変える。
- 長く座ってつらくなったら、休憩を相談する。
- 聞き取りづらければ、無理に身を乗り出す前に場所を相談する。
- 気持ちを伝えたいなら「会えてうれしい」と言葉を添える。
身体の動かし方や座り方には人による違いがあります。特定の姿勢を取れないことを、恋愛に不利な欠点と見なす必要はありません。
関連するテーマは、頬杖をつく心理、基本的な見方はしぐさと心理の関係もご覧ください。
まとめ|姿勢の印象と、本人の希望を分けよう
開いた姿勢が初期の魅力評価と関わる研究はありますが、目の前の人の自信や好意を判定する方法にはなりません。胸を張った理由を当てようとせず、言葉と実際の対応を受け止めましょう。
自分も相手も楽に過ごせるスペースを保ち、また会いたい気持ちは言葉にする。姿勢を恋愛の合否判定にせず、心地よい会話のために整えていけます。
参考資料
Vacharkulksemsuk, T., et al. (2016). Dominant, open nonverbal displays are attractive at zero-acquaintance. PNAS, 113(15), 4009–4014. DOI: 10.1073/pnas.1508932113.