恋人と昔の写真を見て、気持ちが近づくこともあれば、「あの頃はよかった」と寂しくなることもあります。恋愛のノスタルジアは、過去に二人で経験したことへの懐かしさです。関係に肯定的な変化を示す研究がありますが、思い出せば必ず満足度が上がるとは言えません。
ここでは、現在の恋人との過去を振り返る研究を中心に扱います。元恋人への連絡や復縁の成功を検証した話とは分けて読みましょう。
懐かしさは、ただ楽しい記憶を思い出すこと?
懐かしさには温かさだけでなく、過ぎた時間への切なさが混ざることがあります。また、研究によって「懐かしい経験を文章にする」「音楽を使って振り返る」「交際初期の何を恋しく思うか尋ねる」など、調べ方が異なります。
同じ「思い出す」という言葉でも、その場の気分、親密さ、満足度、将来も続けたい気持ちのどれを測るかで、答えは変わり得ます。
肯定的な結果を示した四つの研究
Evansらの2022年の論文は、合計638人を対象に、相関研究、二つの実験、毎日記録する日誌研究を行いました。ノスタルジアと満足度などの肯定的な関連があり、文章や音楽で懐かしさを引き出す実験でも関係面の利益が示されました。日誌では、懐かしさを強く感じた日に、関係に関する肯定的な経験も多い傾向がありました。
実験の結果は、その課題での比較として読めます。一方、日誌の関連だけで、懐かしさがその日の関係を良くしたと断定することはできません。
同じ時点の関連と、その後の変化は一致しない
Malloryらの2018年の二つの研究では、同じ時点で見ると懐かしさと満足度に正の関連がありました。しかし、時間を追った分析では短期的に負の関連が見られ、長期的にはその関連は見られなくなりました。
この研究では、交際初期の経験をどれほど恋しく思うかという測定が使われています。「今の関係が物足りないから昔を求める」という可能性も含め、単純な因果の向きは決められません。懐かしさを一つの万能な効果としてまとめないことが大切です。
| 見ているもの | 区別したいこと |
|---|---|
| その場で親密に感じた | 何か月後も満足度が高いとは限らない |
| 懐かしさが強い人ほど満足している | 懐かしむ習慣が満足度を高めた証明ではない |
| 昔の時間が恋しい | 温かい記憶と、現在への不足感が混ざり得る |
思い出を話すなら、現在への評価を押しつけない
次の例は研究で検証された会話手順ではなく、懐かしさを無理なく共有するための提案です。
- 「この場所、覚えてる? 私はあのときの話が懐かしくなった」と自分の経験として話す。
- 相手の記憶が違っても、愛情の量の違いだと決めない。
- 「昔みたいに戻ってよ」と迫るより、「今ならどんな時間を一緒に取りたい?」と現在の希望も聞く。
- 寂しさが強まったら、無理に思い出話を続けない。
楽しい思い出があることと、今の問題が解決していることは別です。過去を共有できても、現在困っている行動や負担については、別に話し合えます。
懐かしくならない日があっても問題ではない
写真や記念の音楽に特別な感情が湧かないことだけで、気持ちが冷めたとは判断できません。思い出の持ち方も、その日の余裕も人それぞれです。研究は関係を採点する道具ではなく、懐かしさには複数の働きがあり得ると考える材料になります。
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参考文献
Evans, N. D., et al. (2022). Romantic nostalgia as a resource for healthy relationships. Journal of Social and Personal Relationships, 39(7), 2181–2206. 原著論文
Mallory, A. B., Spencer, C., Kimmes, J. G., & Pollitt, A. M. (2018). Remembering the good times: The influence of relationship nostalgia on relationship satisfaction across time. Journal of Marital and Family Therapy, 44(4), 561–574. 原著本文