社会的好奇心とは?恋愛で「相手を知りたい」気持ちと、情報の集め方の違い

社会的好奇心(social curiosity)とは、ほかの人の考えや気持ち、行動などを知りたいという関心です。恋愛でも「何が好きなのか」「どんな一日だったのか」と相手に興味を持つことがあります。ただし、知りたい気持ちの強さと、情報の集め方は分けて考えたいところです。

心理学の研究では、本人と話して理解しようとする関心と、間接的・ひそかな経路で情報を得ようとする関心を区別する試みがあります。この記事では社会的好奇心の意味、関連研究、恋愛に当てはめるときの注意点を紹介します。

社会的好奇心は、話す量や社交性と同じではない

よく話し、たくさんの人と交流することと、相手がどう考えているかに関心を持つことは同じではありません。静かに話を聞く人も、相手の選び方や感じ方を知りたいと思うことがあります。

たとえば、恋人が新しく始めた趣味について、活動の名前だけを覚える場合もあれば、「どんなところが面白かった?」と体験に興味を持つ場合もあります。相手を知りたい気持ちは、必ずしも質問数の多さで表れるとは限りません。

社会的好奇心は恋愛だけの概念でもありません。友人、同僚、初めて話す人など、幅広い相手についての関心を扱います。

2020年の研究が分けた、二つの社会的好奇心

Kashdanらは、好奇心を測る尺度を改訂する2020年の研究で、社会的好奇心を二つの側面に分けました。働く成人483人と、地域の成人460人を対象とする二つの調査で、この区別を検討しています。2020年の原論文

研究上の区分 情報を得る経路の特徴
Overt social curiosity 本人と直接話すなどして、相手の考え・気持ち・行動を理解しようとする。
Covert social curiosity 間接的、ひそかな経路で、ほかの人の言動について情報を得ようとする。

論文では、社会的好奇心を一つにまとめるより、この二つを分ける尺度の構成を支持する結果が示されています。ただし、この尺度は恋人の行動の善悪や、浮気の可能性を判定する検査ではありません。

また、間接的に知る情報がすべて問題という意味でもありません。公開されたインタビューを読むこと、友人から近況を聞くこと、本人が見せてくれた画面を見ることなどは、それぞれ事情が違います。研究上の区分だけで行動を一括りにせず、本人の希望や、その場の約束を確認する必要があります。

好奇心と親しさの研究は、何を示している?

KashdanとRobertsによる2004年の研究では、参加者と訓練された協力者が、個人的な内容を段階的に含む質問に互いに答える課題を行いました。特性的な好奇心の高さは、相手側が評定する魅力や親しさの高さと関連していました。2004年の原論文(PDF)

この研究は、初めて会う相手との決められた課題の中で、好奇心と対人評価の関連を調べたものです。特定の質問を恋人にすれば、必ず好かれると証明したわけではありません。また、ここで扱う一般的な好奇心と、2020年の尺度が区別する二つの社会的好奇心を、同じ指標として扱わないことも大切です。

研究から関心を持てるのは、「何を言えば相手を好きにさせられるか」だけではなく、「相手の経験に興味を持つことと、やり取りの感じられ方にはどんな関連があるか」という問いです。

恋愛で考えるなら、聞く前に目的を確かめる

以下は、情報の集め方を考えるための日常の例です。上の研究で効果を検証した会話トレーニングではありません。

たとえば恋人の休日について知りたくなったとき、「何を楽しんだのかを聞きたい」のか、「連絡がなかった理由を確かめたい」のかで、話す用件は変わります。前者なら体験への関心を、後者なら連絡について困ったことを、そのまま言葉にできます。

「昨日は何をしていたの?」と聞いた後に、返事が気に入らず細部を何度も確認するより、「昨日は予定の確認が必要だったけれど返事がなく、困っていた。次からいつまでに返事できるか相談したい」と、本当に必要な話へ戻す方法があります。

知りたいことの中に不安があっても、それだけで自分を責める必要はありません。ただ、その不安を解消するために相手の私生活をすべて把握しなければならないのかは、分けて考えられます。

本人と話す場合も、答えない選択を残す

直接聞いているから、どんな質問も受け入れてもらえるとは限りません。過去の交際、家族、仕事の詳しい内容など、まだ話したくないこともあります。

たとえば「それを始めたきっかけ、聞いてもいい? 話しにくければ別の話にしよう」と聞けます。相手が答えを控えたら、理由を調べ続けるのではなく、その話題をいったん終えましょう。

相手から詳しく話してくれた場合も、会話を楽しむことと、聞いた情報をほかの人へ共有することは別です。恋人のLINEを友人に見せる場面については、スクリーンショットの共有を相談する記事でも扱っています。

「もう知っている」と思った相手にも、変化を聞ける

長く付き合っている相手について、「この人はこれが好き」「こういうときは怒る」と分かったつもりになることもあります。以前の情報を参考にしながら、今も同じかを聞く余地を残せます。

「前はこの店が好きだったけれど、今日はどんなものが食べたい?」「前に話していた趣味、最近はどう?」など、今の希望や近況を聞く形です。相手が変わった答えをしても、前の説明との矛盾を追及する必要はありません。

逆に、毎日新しい話を用意することを二人の義務にしないことも大切です。「今日は特に話すことがない」「今は疲れている」という返事も受け止められます。好奇心を持つことと、常に相手に答えを求めることは別です。

情報の量より、相手と話せる余地を見る

相手の情報をたくさん知っていても、本人の説明を聞けるとは限りません。たとえば、SNSで見た投稿だけで「あなたは今こう思っている」と決めるより、「この話、今聞いてもよい?」と本人に確かめる余地があります。

社会的好奇心は、知りたい気持ちの向かう先と、その情報をどこから得るかを考える視点になります。恋人を分類するより、自分が何を知りたくて、相手がどこまで話したいかの両方を確かめるために使ってみてください。

参考文献

  • Kashdan, T. B., & Roberts, J. E. (2004). Trait and state curiosity in the genesis of intimacy: Differentiation from related constructs. Journal of Social and Clinical Psychology, 23(6), 792–816. 原論文PDF
  • Kashdan, T. B., Disabato, D. J., Goodman, F. R., & McKnight, P. E. (2020). The Five-Dimensional Curiosity Scale Revised (5DCR): Briefer subscales while separating overt and covert social curiosity. Personality and Individual Differences, 109836. DOI

相手を知りたい気持ちを大切にしながら、分からないことを残しておける関係も大切にできます。答えを集めきることより、相手が話せるときに話し、話したくないときには待てるやり取りを目指しましょう。

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