自己決定理論と恋愛|自律性・有能感・関係性の三つの心理欲求を解説

自己決定理論は、人がどのような理由で行動し、どんな環境で自発性や幸福を支えられるかを考える心理学の理論です。恋愛でも、相手とつながっている感覚だけでなく、自分で選べる感覚や、自分の力を発揮できる感覚が検討されています。

中心となるのは、自律性・有能感・関係性という三つの基本的な心理欲求です。「自分は自律性タイプ、恋人は関係性タイプ」と人を分類する診断ではありません。この記事では三つの意味を整理し、恋人との関わりを振り返る例を紹介します。

三つの心理欲求は、それぞれ何を意味する?

心理欲求 大切にする感覚 恋愛の場面の例
自律性 強制ではなく、自分の意思に沿って選べている 断ったり、別の希望を出したりできる
有能感 自分の力を使い、物事に取り組めている 挑戦を尊重され、必要な支えを受けながら進める
関係性 大切にされ、他者とつながっている 話を聞いてもらい、気にかけ合っていると感じる

自己決定理論では、三つのうち一つだけを満たせばよいと考えるのではなく、いずれも重要な欲求として扱います。これは「恋人がすべて満たす責任を負う」という意味ではありません。友人、仕事、学び、趣味などを含めた環境の中で考えることができます。

自律性は「誰にも頼らないこと」ではない

自分で選んで相談する、納得して役割を分担する、助けをお願いすることも、自律的な行動になり得ます。何でも一人でこなすことと、自分の意思に沿っていることは別です。

有能感は「恋人より優れていること」ではない

相手と競って勝つことではなく、自分が働きかけたり学んだりできる感覚に焦点があります。失敗を笑われずに試せること、必要な情報や助言を求められることなどを考える手がかりになります。

関係性は「いつも同じ時間を過ごすこと」ではない

会う回数だけで、つながりの感覚を完全には判断できません。同じ部屋にいても話を無視されて寂しくなることもあれば、離れていても気にかけてもらっていると感じることもあります。

恋愛関係の研究では、どのような関連が見られた?

Patrickらによる2007年の論文は、三つの研究で心理欲求の充足と関係の質を検討しました。各欲求の充足は、個人の幸福や関係上の良好さと関連し、関係性の充足が関係の指標を独自に説明する傾向が強く見られました。

本人だけでなくパートナー側の欲求の充足も調べた研究や、意見の対立を日記形式で記録した研究も含まれます。欲求が満たされている人は、自発的な理由で関係にいる傾向を通して、意見の対立後も良好な関係の質を示していました。

ただし、これらの関連から、特定の声かけをすれば必ず満足度が上がるとは言えません。個人の感じ方や生活状況も関わり、理論から万人向けの回数・割合を決めることもできません。三つの欲求を恋人の採点表にするより、困りごとを具体化する視点として使うことが大切です。

デートの相談で考える:選択肢と、本人の希望

「どこでもいいよ」と任せることが、いつも自律性の尊重になるとは限りません。相手が選択に困っているなら、「私は散歩か映画がいいと思う。あなたはどう?」と案を出してから希望を聞く方法もあります。

反対に「二つから選ばせたから十分」と思っていても、どちらも相手が嫌なら、実質的な選択にならない場合があります。「別の案でもいい」「今日は会わない選択でも相談できる」と、意見を出せる余地を残します。

挑戦を応援するときに考える:代わりに全部しない

資格の勉強や仕事の準備を応援するとき、相手の希望を聞かずに予定を組み、進み具合を管理すると、本人のやり方を奪ってしまうこともあります。どこまで助けてほしいかを聞き、取り組みたい部分は任せることを考えましょう。

例えば「資料を一緒に探すことはできるけれど、どう手伝うと助かる?」と尋ねられます。本人が望む成長を支える関わりについては、ミケランジェロ現象の解説も参考になります。

一人の時間を相談するときに考える:つながりも選択も残す

「今日は一人で休みたい」と伝えることは、相手とのつながりを捨てることと同じではありません。「今日は疲れているから休みたい。次に話す時間は明日の夜に相談できる?」のように、自分の希望と相手との予定を両方伝えることができます。

詳しい工夫は、同棲中に一人の時間がほしいときの伝え方で紹介しています。近さと自分の時間を、どちらか一つだけ選ぶ問題にしないことがポイントです。

相手を動かす「欲求の攻略法」にしない

三つの欲求を満たせば相手が自分を好きになる、と保証する理論ではありません。褒める、選ばせる、優しくするといった行動を、好意や同意を引き出す取引にしないでください。

また、あなたが自分の意思を伝えているのに毎回否定されるとき、三つの欲求を一人で完璧に満たす努力だけに解決を求めないことも大切です。互いに希望を言えるか、負担を調整できるか、断る自由があるかという、実際のやり取りも確かめましょう。

参考文献・資料

  • Center for Self-Determination Theory. Theory(理論全体、基本心理欲求、関係性の動機づけに関する解説)
  • Patrick, H., Knee, C. R., Canevello, A., & Lonsbary, C. (2007). The role of need fulfillment in relationship functioning and well-being: A self-determination theory perspective. Journal of Personality and Social Psychology, 92(3), 434–457. 論文を読む

「自分で選べる」「自分の力を使える」「つながっていると感じる」。三つの視点から、今の関わりで大切にしたいことを一つ言葉にしてみてください。

※本ページはプロモーションが含まれています

運動習慣をつくる科学的な近道|プロの指導付きオンラインヨガ「SOELU」

「運動が健康やメンタルに良い」と分かっていても、一人で継続するのは簡単ではありません。運動の習慣化には「強制力」と「正しいフィードバック」が得られる環境づくりが不可欠です。

SOELUなら、朝5時〜深夜25時まで自宅からプロのライブレッスンを受講可能。画面越しに先生が指導してくれるためサボりにくく、会員の継続率は80%以上を誇ります。「人に見られたくない」「すっぴんで受けてみたい」という場合も、自分を映さずに参加できるギャラリー枠があるため安心です。

SOELU(ソエル)のポイント:

  • 月6,000種類以上のレッスン(ヨガ・ピラティス・筋トレ・ストレッチ)
  • 人目が気にならないギャラリー枠&24時間見られるビデオレッスンあり
  • まずは「100円で受け放題」の体験レッスンからスタート可能